もし寒い時期に災害にあった時に、焚火があると、沢山の人が暖まることができます。

焚き火をするには、まずはマッチやライターを使って着火剤に火を点け、火おこしをします。
キャンプやバーベキューの時には「市販の着火剤」を使う人も多いと思います。
しかし、そうした目的が無い場合、家に常に着火剤を置いている人はあまりいないのではないでしょうか。

もしかしたら、点火に使うマッチやライターが家に無い人だっているかもしれません。
金属を使って火花を散らすメタルマッチ（ファイアースターター）は、キャンプを楽しむ人の中には持っている方がいるかもですが、そうでないご家庭には馴染みの薄いものではないでしょうか。


もし今、災害が起きて『今ある物で何とかしなければならない』状態になった時に焚き火をするならば、あなたはどうしますか？


最近ではサバイバルの番組やYOUTUBEなどで「虫眼鏡を使う」とか「弓切り式の火おこしを使う」等、色んな方法が紹介されています。
こうした『代用品』を使うという発想は、心と時間に余裕がある時に遊びとして試すのは楽しいと思います。
でも、本当に緊急事態になったときに、そうした代用品を使って火おこしをするか考えてみると、そうでもないように感じます。

もし実際にキャンプに行った時に、ライターを忘れてしまったら…？
きっと、お隣さんや管理人さんにライターを貸してもらうとか、持っているコンロやバーナーを使う人が多いのではないでしょうか。

同じように避難所などでも「近くにライターを持っている人はいないか」とか、「カセットコンロなどの火を利用できないか」と考えるのがリアルなのではないかと思います。


著書（もしときサバイバル術 Jr.）では、新聞紙を丸めて着火剤に使う方法を紹介しています。
ですが、デジタル化が進み、新聞紙を購読していないご家庭も増えているそうです。
最初に書いたとおり「着火剤」そのものを、いつも常備している家庭もそう多くないのではないかと思います。

では、そういう場合は、どうしたら良いのでしょう。

僕たちの講習内では、ポケットティッシュにワセリンを付けての着火を紹介してます。
２～３分は燃え続けるので、一度試してみてください。

その他にも、キッチンペーパーやガーゼなど、燃えやすそうな物が家の中にはたくさんあるはずです。
ワセリンが無くても、同じような成分を使っている物がないか、家の中を色々探してみましょう。



水分が飛んだ植物なら大抵は燃えますが、よく、野外で火おこしをする時に着火剤として紹介されるのが「杉」「松ぼっくり」「白樺の樹皮」などだと思います。

これは、油分が多く含まれているので、着火剤として挙げられることが多いのです。
他にも油分が多く含まれている植物として、乾燥した竹や、乾燥した常緑樹などがあります。

冬を越す植物は、凍らないように、表面がコーティングのようにテカテカしていますよね。
逆に、冬になると落葉する葉は、油分の含有量が少ない傾向にあります。

最初にあげた「杉」「松ぼっくり」「白樺の樹皮」はどうでしょうか？
冬になっても、枯れたとしても、そのままの姿を残していますよね。

自然の中に入って、どれが落葉樹で、どれが常緑樹か探してみれば、答えが見つかりそうです。
キャンプに行った時に、周りを見回して探してみるのも面白そうですね。