無人島研修キャンプについて

naturum_bousai_buyer

2020年12月23日 16:25


12月1日~5日にかけて、佐賀県唐津市にて無人島研修キャンプを行いました。
この研修の目的は、下記の通りです。

・現時点での自分自身の自助・共助力を知ること
・実体験を通してサバイバル状況において、フィジカル面、メンタル面でどのように変化するかを知ること
・生き抜くための様々なマネジメントを考えることで、日常にも活かすこと


持ち物も制限しており、以下の物を全て、30Lのザックに入れて持参してもらいます。

●持ち物について
・野外で活動しやすい服装(防寒、雨対策を万全に)
・保険証
・常備薬(医師の指示で必要な方)
・筆記用具
・その他、必要と思われるものを準備してもらう。
・非常食は2食まで持参しても構いませんが、提示課題上、基本的には現地調達になります。
・ブルーシート2枚とPPロープ、水2Lは支給します。
・シュラフはザックの外に装着OKです。

これだけで、かなり過酷な研修であることが分かって頂けると思います。
では、実際に研修に参加してもらった方が、どんなものを持ってこられていたか、具体例をお伝えします。

①防寒はどうしていたのか

30Lのザックを実際に手にとってもらうと分かりやすいのですが、毛布などは入りません。
皆さんが持って来ておられたのは、真冬用のシュラフと、予備の防寒具ぐらいでした。

②『その他、必要と思われる物』には、どんな物を用意していたのか

沢山荷物を持って行けるわけではありませんから、厳選しなくてはなりません。
サバイバルといえば皆さん思い浮かべられると思いますが、まずはナイフ、そしてコッフェル(アウトドア用の携帯用の小型の調理器具)、ファイヤースターターロープなどは皆さん持ってきてます。
この研修には繰り返し参加される方もおり、今回はハンモックを持参されている方も数人おられました。

③飲み水の確保はどうしていたのか?

水2Lは支給しますが、研修期間は5日間ですので、別の方法で飲み水を確保する必要があります。
無人島ということは、周りは海水ですから、そのままでは当然飲むことはできません。
携帯浄水器も、海水を飲み水に変えることはできません。(どの携帯浄水器でも、海水は塩辛いままです)

先ほども言いましたが、繰り返し参加される方もおります。
その中に毎回、海水を蒸留する装置を作る方がいらっしゃいます。
今回も挑戦していて、「おいしい」とは言えませんが、飲めるくらいにはなりました。
あとは、雨が降った時にブルーシートを工夫して飲み水を集めたりしました。

④食料確保はどうしていたのか?

非常食は2食まで持参しても良いことになっています。
しかしながら研修の目的上、現地調達が基本になります。

ですから、貝類や甲殻類などを集めたり、自生の食べられる植物を採取したりします。
「何が食べられるか」「どうやったら食べられるか」の知識がまず必要ですね。
釣りも試している人はいるのですが、残念ながら成果は0でした…。

⑤寝床の確保はどうしていたのか?

支給したブルーシート2枚とPPロープのみで、雨除け(タープ)などを作ってもらう事になります。
もちろん30Lのザックには、インフレータブルマットのような便利な物も入りませんから、寝ていると身体は痛いです(笑)
マットの代わりをどうするかですが、落ち葉をたくさん集めて、寝床代わりにするのは有効です。
また、小さくたためてザックに入れられるハンモックも有効な手段です。
今回ハンモックを持ってこられている方がいらっしゃったのは、そういうことです。
しかしハンモックも、4泊だとしんどくなります…。
車中泊もそうですが、結局はマットなどが無いと安眠は難しいですね。


過酷な環境下でのメンタル変化を体験することや、生き抜くための体験は、災害時にも役に立ちます。

無人島でサバイバルをするのはなかなか難しいと思いますが、例えば火おこしにライターを使わないとか、マットを持って行かないなど、普段のキャンプに何か制限をつけて実際に体験してみてはいかがでしょうか。

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